新局面を迎えた日米関係

北方領土を毎年G7の議題にせよ!

憲法改正こそ国際貢献の始まり!

皇紀二千六百五十五年 平成七年七月吉日

北方領土は我が国固有の領土である

 日本が独立を回復したのは、昭和27年4月28日となっており、この日、日本は平和条約を結んで主権を回復したことになっているが、戦後50年、本当に我が国は主権を回復して独立を果たしたのだろうか、答えは否である。

 残念ながら、未だ国家存亡の基本である憲法は占領基本法のままであり、50年に亘り改正がされないままになっている。

 多くの固有領土は占領されたままであり、国際社会に訴えることもできない、此の姿が本当の独立国家といえるであろうか。

 我が国政府の一貫性が無い領土返還交渉に、日本は領土返還を諦めたのではないかという印象を与えているが為に、過日のロシア、エリツィン大統領の嫌味溢れる言葉が出てくるのである。

 日本は米国テキサス州で開かれたサミットG7の最終声明の中で、北方領土不法占拠問題を明記し、北方領土問題は先進七ヵ国にとっても重要な政治問題であることを、世界にむけてアピールすることに成功した。ところが今回のハリファクス・サミットでは、前に取り上げてもらったから必要ないという理解し難い理由で、声明に北方領土問題を盛り込むことを日本外務省は自ら進んで取止めたという事実が明らかになった。

 北方領土へのロシア政府不法占拠の責任は、サンフランシスコ平和条約起草国である米国の責任が大であると同時に、起草に当たって事前連絡を受けていた戦勝国である英国・仏国にも責任がある。

 したがって、北方領土問題は日本とロシアの二ヵ国間の問題ではないのだ。然し、日本の歴代外務大臣の中には、正しい歴史観を持たずに、日本とロシアの二ヵ国間問題とするお粗末な大臣もいる。

 ロシア政府にしてみれば、日本一国を相手とする交渉より、サミット参加国を相手にする方がはるかに分が悪いはずだ。それなのに何故に我が国政府はサミットの議題にすることをせず、声明から外してしまったのだろうか。ロシアの外務省は『法と正義の原則に基づいて解決する』と公言をしていた。しかしながら、日本政府の態度が領土奪還への熱意を失ってきたように見受けられるために、領土問題をロシア政府自ら持ち出さなくなってきた。日本政府自らが領土問題をサミットで取り上げなくなってきたと見たロシア政府は前言を忘れたように振舞い出してきた。

 領土問題というのは国家の権威と国民の威信に関する重大な問題であり、固有の領土を外国に占拠されたままだというのは、独立国家の姿ではない。したがって、政府も与党も外務省も無責任すぎはしないか。

 北方領土問題は日本とロシアの二ヵ国間の問題ではなく、日本とロシア・米国・英国・仏国などの複合的な戦後処理の問題であることを明確にし、先進七ヵ国会議(サミット)の主要議題として毎年、毎回取り上げ討議すべきだ。外務省はロシア政府に返還を諦めたと誤解を招かないように、粘り強く返還交渉を続けるべきである。

 毎年、年を追うごとに、民族屈辱の日である8月9日が忘れ去られようとしている。極寒の地より、未だ祖国に帰れない幾十有万人の英霊の慟哭を忘れてはならない。